Q. 働く人のための社会保障や税金について教えてください
A.1年以上日本に住む見込みがあり、収入があれば日本人と同じように税金を払います。働く上で関係する税金は、国に対する「所得税」と東京都や区市町村に対する「住民税」です。また、日本の社会保障制度では、企業で働く人に対して労働保険や医療保険があり、外国人のみなさんも原則として加入します。これらは企業が社員の給与等からあらかじめ差し引くことになっています。雇用保険に1年以上加入していれば、会社を退職した後も一定期間、失業手当を受け取ることができます。また、職業訓練制度を利用すれば、費用をかけずに新たな資格やスキルを取得可能です。健康保険や年金保険に加入していれば、病気やけがをした場合や、高齢になったり障害を負ったりした場合にも、お金の負担が減ります。
労働保険
- 1 労働者災害補償保険
- 通勤や仕事中のけがや病気の時に保険金が支払われます。保険料金は企業が全て負担します。
- 2 雇用保険
- 仕事を失ってしまった時に保険金が支払われます。働く人が生活に困らないように、次の就職活動を支援するための保険です。
医療と年金
- 1 健康保険
- けがや病気をした時にかかる費用の30%を支払うだけですみます。出産・死亡した時にお金が支払われます。
- 2 国民年金・厚生年金保険
- 働く人が高齢になったり、障がいまたは死亡した場合に保険金が支払われます。外国人の場合、脱退一時金※として保険に入っていた期間によってお金を受け取ることが可能です。
※脱退一時金 : 年金の加入期間が6ヶ月以上の外国人が帰国した場合、帰国後2年以内に請求すれば支払われるお金
参考:一般財団法人自治体国際化協会
「多言語生活情報 労働と技能実習・研修」
給与に関する税金
- 1 所得税
- その年の1月から12月までの一年間のすべての所得額に応じて税金が課せられます。所得税は毎月の給与等から見込み額を差し引き、12月には正しい課税額との調整(年末調整)を行います。
- 2 住民税
- 毎年1月1日時点で住民登録している市区町村から税金が課せられます。前年度の所得額や家族の有無等によって税金の額が変わります。
アメリカ/台湾出身
40代 エンジニア
会社の健康保険組合に加入しているので、病気やけがの時に病院で健康保険証を見せれば自分で支払う金額が30%ですみます。日本で出産をした時は、健康保険から「出産育児一時金」として40万円近くのお金をもらうことができ、病院での費用がほとんどかかりませんでした。
インドネシア出身
20代 事務職
事務として働いていましたが、Webデザイナーに挑戦するために会社を退職しました。雇用保険に入っていたので、退職後も失業手当をもらうことができました。失業期間中は無料で職業訓練の学校に通うことができ、スキルを身につけながら安心して就職活動に取り組めました。